シラバスの刊行にあたって
日体荏原高等学校
校長 大石 巧造

世の中はまさにデフレ時代、様々な変動がありますが、その中でも食料品を始め全てのものが安ければいい、品質や価値観などどうでもいいという風潮があります。そのためなら人件費を落とし、コストの安い海外に進出するなど手段を選ばない傾向にあります。

このような社会の中で育つ青少年は不幸極まりないと思います。経済中心の発展がもたらした結果であり、このままで進んでいくと大変なことになります。青少年に対して、本当のものづくりや勤労の尊さをきちんと教えることが難しい時代です。
  学校としても、物の大切さや勤労の尊さを教えるのに大変苦労する時代です。人件費の合理化は、手間隙かけて物を作る価値観を消滅させ、汗水流して働けば収入が得られるという勤労の尊さは失われているからです。

社会情勢の影響は青少年に敏感に伝わり、学校でいくら説明しても理解させることは難しいでしょう。しかし、この課題を避けて通るわけにはいきません。学校でしか教えられない方法はいくらでもあるはずです。

ここで学校の教育もまた、デフレ時代の渦に巻き込まれているのではないかという疑問を持つ必要があります。合理的に生徒を育てられるという錯覚に陥っていないだろうか、もう一度点検する必要があります。

生徒を人間として育て上げることや目標を達成させるための手段は、良い方法やマニュアル等などなく、合理的な方法などないのです。教育は手間隙かけ、継続的に展開していく以外には無いことを再認識し、本校の教育活動を改めて創造する責務があります。

教育の目標を設定することは、生徒や地域の実態等を分析すれば抽出されてきますが、その実現に向けた計画が重要なのです。「手間隙かける。」ための準備や心構え等、念入りな計画です。本校のシラバスは、質のいい授業を創るための土台作りと心得ています。

したがって、シラバスの作成は、全ての教育活動に責任を持つ教員に課せられた課題であり、良い指導をするための準備や計画にやりすぎることはないということです。教育のプロとして、良い指導を展開するためにはその八割を計画に当てる必要があるでしょう。

本校のシラバスは三年目に入りますが、毎年、各教科・担当で総括し教務部を中心に改善・工夫し、他校には無い本校の特色が創造されてきています。しかし、生徒の個性・能力等の実態をさらに深く考察し、今後もいっそう改良を加えていく必要があります。

学校教育の柱は授業であり、生徒と教員の人間としての信頼関係が築かれる重要な機会です。このシラバスを基に公開授業や授業研究等、保護者の皆様や外部の皆様に直接見ていただく機会を設けていますので、ご覧いただきご意見やご指摘をいただければ幸いです。

 
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